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一番不必要な存在だからこそ司会者になれた春風亭昇太の面白さと、桂歌丸の落語家としてのプライド

芸能 メディアのすきまZ 日刊ーサイゾーリスペクト

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春風亭昇太という落語家は無駄にはんなりとしていて掴みところがない。同時期に入った 林家たい平には座布団運びの山田くんを罵倒するというキャラクターはあっても、 春風亭昇太には独身ネタをやる度に「へーこの人独身なんだたいして結婚したそうにも見えないけど」というようなどこか空々しい雰囲気が浮かぶ(そういう感想を持つのは筆者だけではないはずだ)
同時期に入った林家たい平のほうが当初強い違和感を持って迎えられたが、今や得意の山田くんに対する罵倒(いじり)もしっかり板につき、 林家たい平は、笑点になくてはいけない存在になった。 それに対して 春風亭昇太はどうだろう。

司会者の歌丸を除いた笑点のメンバーには皆一応に回答者としてのキャラクターがある。

三遊亭 小遊三なら度々せこい泥棒みたいな真似をしていると自分でネタにする憎めないオジサン。

三遊亭好楽ならうまい回答をするピンク。

林家木久扇は度々自信が経営するラーメン屋がまずいとからかわれる天然ボケの落語家で笑点のムードメーカー。

六代目三遊亭圓楽は政治ネタを得意とする腹黒キャラ。

林家たい平はモノマネと、山田くんいじりを楽しむお調子者。

春風亭昇太は…あの眼鏡をかけた…いかにも落語家っぽい、ああそう言えばあの人独身なんでしょう?ああそう笑点の回答ねぇ…そういえばあの人はどんな回答をしますかねぇ? 世間の反応は(暴言を吐くなら)そんな感じだろ
私は歌丸が司会者になる前は 三遊亭圓楽 (5代目)が笑点の司会者の時代しかしらない。 ただ、 三遊亭圓楽桂歌丸ときて、本来なら次の司会者は 六代目三遊亭圓楽三遊亭好楽あたりが妥当だったはずだ。 しかし司会者になったのは、あのキャラがない、本人が言うには独身らしい、いかにも落語家っぽい雰囲気だけど回答はあまり印象のない、 春風亭昇太だった。 笑点の新司会者には当時色々な噂があった 萩本欽一がやるとか西田敏行やるのだとかそして大本命にはビック3のタモリの名前も。

今の笑点三遊亭圓楽の時代から見たら明らかにメンバーが薄い。 一番面白い回答をする落語家だった はずの桂歌丸が司会者になり、変わりに回答者として入ったメンバーがとても歌丸1人の穴埋めにもならないあのふたりだ(正確には林屋たいへいは林屋こんぺいの変わりとして入ったので 春風亭昇太1人が桂歌 丸の変わりになるのでなおさら穴埋めになってはいない)。

身内で出すとしても、これ以上回答に影響力のある落語家は司会者にはできない。そう判断した結果、 春風亭昇太にお鉢が回ってきたのだろう。 大本命の 六代目三遊亭圓楽は回答者としてはよくても司会者としては悪い意味で毒が強すぎるし、若手二人以外のオリジナルメンバー誰が消えても、アイツが休んだ教室みたいな空々しい雰囲気が漂う。 だから一番休んでも違和感のないメンバーが新しい司会者になった、それが面白い。

しかし笑点メンバーというのはてっきり死ぬまで続けるものだと思っていたが、 三遊亭圓楽(5代目)や林屋こんぺいが最後まで「元気になったら戻ってくる」という条件のもとで欠席しそのままになってしまったのを見て桂歌丸は何か思うところがあったのだろう。 日頃から「死にそうだ、死にそうだ」とネタにされているからこそ、本当に死にそうな顔をお茶の間に見せたくないという思いか、中途半端な仕事はしたくないというプライドか、もしくは自分が急病で倒れた時に新しく入った落語家に余計な気苦労はかけたくないという思いやりなのか、いずれにしろ桂歌丸という落語家はカッコいい。