喪黒がいなくなっても成立する現代社会を笑ゥせぇるすまんNEWは表現している【5話感想】

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笑ゥせぇるすまんNEWの5話が中々良かった。
夫の大切なモノを捨てて夫婦を私物化しすぎた故に夫婦仲が拗れた2ちゃんねるのテンプレート的なエピソードだし、喪黒福造は介入しなくても成立するようなエピソードだったが、理想に狂いだした主婦が如何に人の言うことを聞かなくなるのかがよく出ていた。
例えば引きこもりはいつまでも血縁関係に自分の姿を家族に託していては、非を指摘されるが、主婦と言う肩書きはそれを隠す。

挙げ句それで夫まで自分勝手にコントロールしようとすれば、仲が拗れる。
何もしない引きこもりが家庭を支配するのは異常さが浮き彫りになるが、妻なら何もしなくて家庭を支配してもあまり異常だとは見なされない。
何故ならずっとTVは一番見てくれる主婦層に媚びてきたからだ。

NEWの喪黒は決まり手とも言える″ドン″をあまり使用しなくなったし、周りの客も喪黒に疑いの言葉をあまり口にしなくなった。
そして喪黒のキャラクターはより狂言回しのようになり薄くなった。
手慣れた感じで客を誘導し、空気のように仕事をする。
喪黒がいなくても今の世の中で笑ゥせぇるすまんはすでに成立しているとでも言いたいのか。

5話の冒頭は日曜倶楽部のリメイクだったが旧アニメ板はもっと悲惨に見えたエピソードだったがNEWはカラッとしていた。
TVメディアは衰退し、良くも悪くも私達の価値観を操らなくなった。
そしていつの間にか私達は他人のどんな不幸も幸福もどこか当たり前のように感じるようになり、TVの画面は昔より奇麗になり其の分何故か現実に起きている感覚は徐々に薄れてきている。

それは虚構でも現実でもだ。
今の喪黒福造には存在感がない。
しかしそれが現代の喪黒福造のあるべき姿なのかもしれない。

 

 

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